1910年代に製造された、フランス海軍のためのダブルブレスモールスキンジャケットです。
ダブルでも、モールスキンはだいたいがワークウェアとして使用されていました。その中でも水兵用に作られた個体はとても数が限られてきます。「レアかどうか」の議論からも逸脱するのではないでしょうか。
布地のタグに書かれた"AU VRAI MATELOT"(「本物の水兵へ」)の文言とイカリのマークが最高に気分を燻らせてくれます。
クチュリエはCh. Jamet(セー・アッシュ・ジャメ)。Ch.は、クリスチャンかシャルルの略称だろうと推測できます。現代でも富裕層が住み、同時に若者で賑わうパリの中心地が住所として記されています。
タグには他にサイズとシリーズを記す欄がありますが、そこは空白になっています。
モールスキンの生地はかなりしなやかになっていて、ベロアに近い感触になっています。
ここまで柔らかくなっていると大きな破れであったり致命的な破損が出てくるものですが、この時代の生地にもなるとかなり頑丈で、要所要所お直しされているので十分に綺麗です。(もちろんこのジャケットのように、まともに保管されていれば!)
オリジナルのボタンは、おそらく左右ともに上から3つ目で、少し歪んだ円形の木製ボタンです。黒染めされていますが、それでも木の色がほんのり見えるのが30年代まで製品の特徴です。深みにあるその色は、なんだかずっっと見てられる魅力があります。
その他のボタンもだいたいが木製で、一番上の2つがコロゾです。オリジナル以外のボタンに関しても、コーティングされていたり裏にFRANCEと書かれたミリタリーのものであったりと面白さは様々です(FRANCEと書かれる物でもほとんどがコロゾです)。
袖ぐりの縫製は、リネンの布でパイピングして補強されています。この丁寧な作りは、まさに1910年代〜1920年代の特徴的なものって感じがします!私物で所有している物にも、パイピングされている個体があった記憶があります。
裏の胸ポケットもインディゴリネンです。
それから、前に出品したワークパンツの際にも書いたように、太陽に焼かれて薄いグレーまで色が抜けているステッチがとんでもなく美しいです...!フランスのブルーが一番映えるのは、木の色が残ったボタンとこのステッチのコンビネーションではないでしょうか!
左袖や左の脇下に残ったペンキも最っ高の見栄えを演出しています。
フランスに住む自分でも、今後同様のものに出会うことはないんじゃないでしょうか...この機会にぜひ!
サイズ 表記は無し
着丈 64cm
肩幅 42cm
身幅 51cm
袖丈 60cm
モデルは175cm、55kgです。
コンディション
7/10
100年前の服であることを考慮して7点!裾などに破れはあるものの、かなりの美品です。
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